さかいめ

安全な場所から眺める道楽は

痛くもかゆくもないでしょう

 

実像と虚像の分別がつかなくなったなら
惑わされたふりをして爪を立てるでしょう

 

搾取した自由を一粒残らず食い散らし
最後の滴を合図に膨れた腹を撫でるでしょう

 

 怪物と化した身体は次なる獲物を求め
ぶらぶらと手足を垂れ下げ歩くでしょう

 

分厚くなっていく皮膚の下で流れるものは

 

自己と他者の境界を剥奪した先

救われることのない泥でしょう